コンテンツにスキップ

この記事について

つみたてNISA時代に記載した記事ですが、2025/10の情報で信託報酬などの情報をアップデートしています。

【2025年版】信託報酬とは?NISAで20年運用すると手数料はいくら?

アイキャッチ

この記事で伝えたいこと

信託報酬は投資信託の隠れコスト。新NISAが始まり、非課税の恩恵が大きくなった今だからこそ、信託報酬が将来の資産にどれだけ大きな影響を与えるか、具体的な金額で理解することが重要です。低コストなファンドを選ぶべき理由が分かります。

こんにちは、金育SEのまさ(@kinikuse)です。

「信託報酬○%」とよく聞きますが、具体的に何円払っているか、しっかりイメージできていますか?

例えば、人気のインデックスファンドを40万円分買うと、年間の信託報酬はだいたい230円くらいです。でも、これが20年、30年と続くと、一体いくらになるのでしょう?

「1.5%でも0.1%でも、そんなに変わらないでしょ!」と思いがちですが、これが全く違います!以前、ツイッターでこんなクイズを出してみました。

正解はなんと200万円以上! 信託報酬1.5%の投資信託に投資すると、20年間で元本の800万円とは別に、200万円以上もの大金をコストとして支払うことになるんです。衝撃ですよね?

今回は、最新の情報を基に、信託報酬の具体的な金額をシミュレーションし直してみました。

信託報酬とは、投資信託の運用にかかる "人件費"

信託報酬は、ざっくり言うと投資信託を運用してもらうための手数料(人件費)です。

投資信託は、運用の専門家が私たちに代わって、たくさんの株や債券を売買・管理してくれる「おまかせパック商品」。その手間のかかる作業を肩代わりしてもらうために、私たちは資産の中から毎日少しずつ、この信託報酬を支払い続けています。

運用会社による、投資信託の作り方

  • インデックスにどの銘柄が含まれるのか調べる
  • インデックスの構成比率に合わせて売買金額を決める
  • 手数料が安い証券会社に発注する
  • 証券会社と現金を受け渡す
  • 投資信託を購入・売却した投資家と現金を受け渡す

私達は、これらの手間を放棄するために、インデックスファンドを活用します。当然、運用会社の人件費を負担する必要があります。

正直、めちゃくちゃ面倒な作業を肩代わりしてくれるのに、最近の信託報酬は安すぎる気すらしてきます。

信託報酬以外のコストもある

最近は手数料ゼロ化の流れが進んでるため話題にあがりづらいですが、他にもコストが存在します。

購入時手数料

投資信託を買うときに支払う手数料です。つまり営業費用です。アクティブファンドだと1%や3%も取られることがあります。

以前、記事にした『円奏会』も1%の購入時手数料が取られました。

ほとんどのインデックスファンドは0円。

信託財産留保額

投資信託を売るときに支払う手数料です。解約時のペナルティコストになります。

投資信託の解約が多ければ、運用会社は個別の商品も売却する手間と費用が発生します。「投資信託を保有し続ける投資家」に迷惑がかからないようにするための費用ですね。

ほとんどのインデックスファンドは0円。 ただ、長期運用するなら一定かかる方が嬉しいかもしれません。

その他の運用コスト

上記の他にも、JSCCの口座管理手数料や売買手数料などの様々な運用コストがかかります。どんな運用会社でも必ずかかる必要経費です。

投資家が意識しづらいところなので、初心者はあまり気にする必要はありません。

インデックスファンドでもかかります。 「実質コスト」という単語でググってみましょう。

信託報酬の計算方法

信託報酬率は年率N%と公表されるため、コレをもとに計算します。ざっくり以下の計算式になります。

信託報酬の計算方法

1年間の信託報酬額 = 投資信託の評価額 × 信託報酬率

例えば、NISAで40万円分の投資信託(信託報酬0.1%)を購入すると、

信託報酬の計算方法

1年間の信託報酬額 = 40万 × 0.1% = 400円

1年で400円の人件費(=信託報酬)を支払うことになります。だいたいスターバックスラテ1杯分ですね。

本当は、毎日少しずつかかるため「日々の評価額 × 信託報酬率 ÷ 365」を1年分合計した金額になります。でも計算がめんどくさすぎるのでここではやめときます。笑

信託報酬と他のコストの違い

「信託報酬」と「その他運用コスト」は他の手数料とは違い、2つの特徴があります。

信託報酬の特徴

  • 保有している限り、毎日資産から差し引かれ続ける
  • 運用成績がマイナスでも、お構いなしに発生する

これが、購入時や売却時に一度だけかかる手数料との大きな違いです。だからこそ、長期投資になればなるほど、わずかな信託報酬率の差が、将来の資産に大きな影響を与えるのです。

100万円の投資信託(信託報酬1%)が90万円に減ってしまったとするとこうなります。

  • 信託報酬1.0%なら9,000円
  • 信託報酬0.1%なら 900円

運用成績がマイナスでも、運用会社の方の人件費は必ずかかります。少しでも支払うコストが低い投資信託を選んでおかないと、どんどん目減りしてしまうので注意が必要です。

【新NISA】信託報酬で将来の資産はいくら変わる?

では、実際に信託報酬の差がどれくらいのインパクトになるのか、シミュレーションしてみましょう。

シミュレーションの前提

  • 毎年40万円を20年間、積立投資する(投資元本800万円)
  • 運用利回りは年率5%で固定
  • ※このシミュレーションは旧つみたてNISAをモデルにしていますが、新NISAでも投資額とリターンが同じであれば、信託報酬の影響は同様に考えられます。
ファンドの種類 信託報酬(年率) 20年後の評価額(万円) 支払う信託報酬の総額(万円)
超低コストインデックスファンド 0.05775% 1,365 約8万円
一般的なインデックスファンド 0.2% 1,340 約27万円
高コストなアクティブファンド 1.078% 1,207 約148万円
金融機関ですすめられる商品 1.5% 1,157 約206万円

いかがでしょうか。同じ年利5%で運用できたとしても、信託報酬が違うだけで、20年後には数百万円単位の差が生まれてしまうんです。

特に、信託報酬1.5%の商品を選んでしまうと、低コストな商品に比べて約200万円も多く手数料を払うことになります。これはもう、無視できない金額ですよね。

【実例】アクティブファンド「ひふみプラス」のその後

元の記事を執筆した2020年頃、アクティブファンドの「ひふみプラス」は、高い信託報酬(約1.078%)に見合う、素晴らしいパフォーマンスを上げていました。

しかし、その後はどうなったのでしょうか?

「ひふみプラス」の近年のパフォーマンス

結論から言うと、ここ数年はS&P500などの主要なインデックスファンドにパフォーマンスで負けている状況です。

これは、「ひふみプラス」がダメになった、という話ではありません。どんなに優秀なアクティブファンドでも、市場平均(インデックス)を上回り続けることが、いかに難しいかを示しています。

高い信託報酬を払い続けても、インデックスファンドに勝てる保証はどこにもない。これが、アクティブファンドに投資する際に、必ず理解しておくべきリスクなのです。

結論:信託報酬の低さは、正義!

今回のシミュレーションで、「信託報酬の低さ」が将来の資産形成において、いかに重要かお分かりいただけたかと思います。

数年前まで、信託報酬は「0.5%以下なら安い」と言われていました。しかし、eMAXIS Slimシリーズなどの登場による苛烈な手数料競争のおかげで、今や0.1%を切るのが当たり前の時代になっています。

2025年現在の結論

  • 信託報酬は、将来のリターンを確実に削るコスト。
  • 0.1%の差でも、20年後には数十万円の差になる。
  • インデックス投資を選ぶなら、とにかく信託報酬が低いファンドを選ぶのが鉄則!

特に、利益が非課税になるNISA制度では、手数料をいかに抑えるかが、運用の成果に直結します。

「業界最低水準の信託報酬を目指し続ける」と公言しているeMAXIS Slimシリーズなどが、多くの投資家から支持されているのには、ちゃんと理由があるんですね。

あなたの選んだ投資信託の信託報酬は、本当に「最低水準」ですか?一度、確認してみることを強くオススメします!


最後までお読みいただきありがとうございます。
良い機会なので、私と一緒にお金の勉強を始めませんか。
まったり更新していくので、X(@kinikuse)もフォローいただけると幸いです。

投資に関するご注意

当サイトの情報は、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
投資の最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。