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学資保険は時代遅れ?国債+保険と4パターンで徹底比較【シミュレーション】
この記事で伝えたいこと
学資保険は、商品の仕組みを理解し、他の金融商品と比較することが重要です。 本記事では「掛け捨て保険+国債」という代替案とシミュレーションで比較し、 あなたの状況に合わせた最適な選択肢を提示します。
こんにちは、金育SEのまさ(@kinikuse)です。
「子どもの将来のために学資保険を検討しているけど、本当にこれがベストなの?」
「『保険と投資は分けろ』と聞くけど、具体的にどうすればいいんだろう…」
大切なわが子のための教育資金、どう準備するべきか悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
また、株式相場が好調な2020年以降は、「学資保険はリターンが見込めないので中途解約しました!」と言った意見を時々目にします。 でも本当に解約してしまって良かったのでしょうか?
この記事を読めば、学資保険との向き合うための明確な判断基準が手に入ります。
この記事で分かること
- 学資保険を「保障」と「貯蓄」に分解して考える方法
- 4つの金利シナリオにおける「学資保険」と「国債+保険」の受取額の比較
- シミュレーション結果から分かる損得の分岐点
- あなたのタイプに合った教育資金の準備方法
学資保険の「正体」とは?保障と貯蓄に分解して考える
学資保険は親の万が一の死亡保障と、子どものための貯蓄がセットになったパッケージ商品です。 とても便利な反面、「結局、保障と貯蓄にそれぞれいくら払っているのか分かりにくい」というデメリットもあります。
ここでの一番のポイントは「学資保険は確定リターンが得られる」という点です。
ネット上では「学資保険よりオルカン1の方がリターンがよい」などと言われることもありますが、それは比較対象が間違ってます。
健康を重視する人に「青汁よりもりんごジュースの方が甘くて美味しいよ」と言うのはナンセンスです。健康と甘さという全く別の機能を持っており、正しい比較ができません。
学資保険には2つの機能があります。
学資保険の機能
- 将来の学費を積み立てて運用できる
- 途中で親が死んだ場合は途中で積立が免除できる
オルカンには2つ目の保険的な機能が存在しませんし、最悪の場合に元本割れするダウンサイドリスクも抱えており、いざという時に学費を用意できない可能性があります。
正しく比較するのであれば、2つの金融商品を組み合わせる必要があります。
- 個人向け国債: 元本割れリスクが実質存在しない
- 掛け捨て生命保険: 親の死亡時リスク対策
個人向け国債を使えば、最近では1.3%の金利がつきますし、少し前のマイナス金利下でも0.05%のリターンが見込めます2。
学資保険を分解して比較
では、2つの機能をあえて分解し、別々に用意するプランにおいて、リターンがどう変化するのか比較してみましょう。
学資保険はググって一番上に出てきた『ニッセイ学資保険3』を採用します。
ニッセイの学資保険の詳細条件
- 保険料払込期間:5年
- 契約者:男性30歳
- 被保険者(お子さま):0歳
- 学資年金開始年齢:18歳
- 基準保険金額:100万円
- 年払保険料:約 53.5万円
- 払込累計保険料:約267.8万円
- 返戻率:約112.0%
比較対象の2つの投資プラン
-
学資保険プラン: 上記のニッセイ学資保険に加入する
-
分解プラン: 月900円の掛け捨て生命保険(死亡保障300万円)に当初5年だけ加入
学資保険と同様の支払金額になるように残額を個人向け国債で積立運用
分解プランは「死亡保障」「学費積立運用」の2つの機能を持ち、学資保険の積立期間である5年の間に親が亡くなったとしても学資保険同等の補償を得られる。
支払うお金が同じなら、どちらがより多くのお金を受け取れるのでしょうか。
【徹底シミュレーション】金利で変わる損得!4つの未来で比較
教育資金を準備する15年間で、世の中の金利がどう変わるかは誰にも分かりません。 そこで、将来ありうる4つの金利パターンで、どちらのプランが有利になるかを見ていきましょう。
将来の4つの金利パターン
- A: 現状維持:1.23%をキープ
- B: 金利上昇:Aから2.0%まで上昇
- C: 金利低下:Aから0.05%まで下降
- D: 損益分岐点:Aから1.06%で計算(後述)
シミュレーション結果一覧
両プランともに、5年間の支払総額は 267.8万円 です。
※商品yの受取額は、運用益に対する税金(20.315%)を引いた手取り額です。
| シナリオ | 金利環境 | x. 学資保険 | y. 国債+保険 | 勝者 |
|---|---|---|---|---|
| A | 現状維持 (1.23%) | 112% (300万円) |
114.3% (約306万円) |
y:国債+保険 |
| B | 金利上昇 (→2.0%) | 112% (300万円) |
124.2% (約333万円) |
y:国債+保険 |
| C | 金利低下 (→0.05%) | 112% (300万円) |
101% (約270万円) |
x:学資保険 |
| D | 損益分岐点 (→1.06%) | 112% (300万円) |
112% (約300万円) |
引き分け |
上のグラフが示す通り、金利が現状維持あるいは上昇するシナリオでは「国債+保険」が優位となる一方、金利が大きく低下するシナリオでは学資保険が安定したリターンを発揮する結果となりました。
「分解プラン」の資産の推移(参考)
現在の金利水準(国債金利1.23%)を例に、「分解プラン」の資産価値が18年間でどのように推移するかを見てみましょう。比較として、学資保険の保障額(300万円)も点線で表示しています。
※分解プランの最初の5年間は、掛け捨て保険(300万円)に加入しているため、最低でも300万円の価値が保証されます。
分解プランでは、最初の5年間は保険効果で300万円の資産価値を維持し、保険が切れる6年目に一旦270万円台になりますが、その後は複利効果で再び300万円を超えていく様子が分かります。
結論:金利で変わる「損得の分岐点」
今回のシミュレーションで、学資保険と「国債+保険」の損得は、将来の金利動向によって逆転することが明確になりました。
シミュレーション結果
- 金利上昇・維持局面:分解プランの勝利
- 変動金利の個人向け国債が、固定金利の学資保険を上回るリターンに
- シナリオB(2.0%上昇)では、学資保険より約33万円もお得
- 金利低下局面:学資保険の勝利
- 固定金利の学資保険の強みが際立つ
- シナリオC(0.05%低下)でも、112%の返戻率をしっかり確保
- 損益分岐点は金利 1.06%
- 平均して1.06%の金利があれば、「分解プラン」でも学資保険と同等のリターンが得られます。
- 15年間の平均金利がこれより高いか低いかが、判断の分かれ目となります。
この結果から、「学資保険は時代遅れ」と一概に言うことはできないが、「金利変動リスク」を考慮すると個人向け国債を組み合わせた方が有利になる可能性がある、という重要な示唆が得られます。
現在の金利水準が続く、あるいは上昇すると考えるならば、「分解プラン(国債+保険)」は非常に合理的な選択肢となります。一方で、将来的な金利低下リスクをヘッジしたい場合は、学資保険の固定金利が魅力的です。
ただし、学資保険に加入する目的は「子供の学費を確実に確保すること」に尽きます。金利変動リスクによっては学費が確保できないといった状況を加味すると、学資保険に軍配が上がるでしょう。
シミュレーションでは見えない学資保険の「隠れリスク」
ここまでの比較は、あくまで「満期まで契約し続けた場合」の受取額の話です。しかし、18年という長い期間には予期せぬ出来事も起こります。 学資保険には、数字だけでは見えにくい2つの大きなデメリット(リスク)が存在します。
1. 「中途解約」で元本割れするリスク(流動性リスク)
人生は何が起こるか分かりません。「私立中学への進学が決まった」「海外留学に行きたい」など、大学入学前のタイミングでまとまったお金が必要になることも十分にあり得ます。
- 学資保険: 途中で解約すると、多くの場合返戻金が支払総額を下回り、元本割れします。お金が必要な時に、損を覚悟で解約しなければなりません。
- 分解プラン: 個人向け国債は、発行から1年経過すれば元本割れなしでいつでも換金可能です4。急な出費にも柔軟に対応できます。
2. 「お金の価値」が下がるリスク(インフレリスク)
現在の300万円と、18年後の300万円の価値は同じではありません。 もし世の中の物価が上がり続けた場合(インフレ)、固定金利である学資保険の「300万円」の実質的な価値は目減りしてしまいます。
- 学資保険: 受取額が固定されているため、インフレに対応できません。学費が高騰していた場合、用意した300万円では足りなくなる可能性があります。
- 分解プラン: 個人向け国債(変動10)は、市場金利に合わせて半年ごとに利率が見直されます。一般的にインフレ時には金利も上昇するため、物価上昇のリスクをある程度カバーできる強みがあります。
もう迷わない!あなたに本当に合うのはどっち?3つのタイプ別診断
結局、自分はどちらを選べばいいのか? 「金利環境」と「隠れリスク」を踏まえて、性格や状況に合わせた3つのタイプ別診断をご用意しました。
タイプ①:堅実・強制貯蓄重視の人
- 特徴: 強制力がないと貯められない。難しいことは考えたくない。
- 推奨: 学資保険
- 理由: 毎月自動で引き落とされ、満期には決まった額が戻ってくる。中途解約で損をするという「流動性リスク」すらも、「絶対に解約させない強力な強制力」として味方につけられるタイプです。インフレによる目減りよりも、確実に貯めることを最優先したい方に。
タイプ②:合理・柔軟性重視の人
- 特徴: 自分でコツコツ積立を継続できる。将来の変化に備えたい。
- 推奨: 国債+保険の「分解プラン」
- 理由: 金利上昇のメリットを享受できるだけでなく、「いつでも元本割れなしで解約できる安心感」と「インフレへの耐性」を同時に手に入れられます。教育費の使い道が大学以外(中学受験など)に広がる可能性があるなら、迷わずこちらです。
タイプ③:最大リターン追求の人
- 特徴: 国債よりも高いリターンを狙いたい。投資の知識や経験が豊富。
- 推奨: 掛け捨て保険+投資信託(NISA活用)
- 理由: 国債よりもリスクはありますが、全世界株式インデックスファンドなどをNISA口座で積み立てることで、15年後にはさらに大きなリターンを期待できます。インフレリスクに対して最も強い対抗手段となります。
オルカンプランの補足
ちなみに、、、こんな記事を書いておいて、私はオルカンプランです。笑
いくつかの理由があります。
1. 学資保険の確定リターンが不要
私の場合は100歳までのライフプランシミュレーションを組んでいます。子供が2人、私立に進学する前提で将来設計をしています。
相場が急変を見込んでも、子供の進学は学費くらいは何とかできる見込みが立っています。
我が家では学資保険に求める機能としての「確実なリターン」は不要です。むしろ、長期的なインフレによって「300万円」の価値が相対的に下がることを最も懸念しています。
2. 生命保険は用意済み
第1子を授かったタイミングで子供2人分を想定した生命保険に入りました。今私が亡くなったとしてもお金の面で懸念はありません。
なんなら、医療保険やがん保険も必要な保障はつけてるので、死ねなくても大丈夫です。(この辺は近いうちに記事にします)
「死亡保障機能」は学資保険以外で準備済なので不要です。
3. 妻の投資への理解度が高い
学資保険のメリットの1つとして「途中死亡時も運用が継続される機能」があります。投資の知識が無くても、毎年運用しといてあげるよってやつです。
私の妻は出会ったときはNISAすら全く知りませんでした。が、一緒に暮らしていくうちにメキメキと頭角を現して、今ではNISAの360万円枠を自身で銘柄選択して運用しています。
私が亡くなったとしても、妻がオルカンを適切に運用してくれる予定です。
まとめ:「なんとなく」で選ぶのはもう終わり。自分だけの正解を見つけよう
今回の検証で、学資保険は「時代遅れ」などではなく、確実性や強制力に価値を見出す人にとっては、今でも有効な選択肢であることが分かりました。
一方で、保障と貯蓄を自分で管理し、将来の金利上昇やインフレ、急な出費にも備えたい合理的な人にとっては、より柔軟で、将来的なリターンも期待できる「分解プラン」が魅力的に映るでしょう。
- 金利環境: 今後金利が上がると予想するなら分解プラン、下がると予想するなら学資保険
- 柔軟性: 中学受験など早期解約の可能性があるなら分解プラン
- インフレ: お金の価値の目減りが心配なら分解プラン(または投資)
大切なのは、セールストークや周りの意見に流されず、ご自身の性格や家計の状況を冷静に見つめ、納得のいく選択をすることです。
この記事が、そのための判断材料となれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
良い機会なので、私と一緒にお金の勉強を始めませんか。
まったり更新していくので、X(@kinikuse)もフォローいただけると幸いです。
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全世界株式への投資のこと。eMAXIS Slim オールカントリーという投資信託が有名 ↩
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個人向け国債の金利が1.3%なのは2025/12時点の話。2023年ころまではマイナス金利政策によって、金利は0.05%しかつかなかった。 ↩
-
ニッセイ学資保険のLP https://www.nissay.co.jp/kojin/lp/gakushi/ ↩
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直近2回分の利子は差し引かれますが、元本は保証されます。 ↩





