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【書評】『まんがでわかるピケティの21世紀の資本』ならr>gがわかりやすく理解できる!

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この記事で伝えたいこと

ピケティの『21世紀の資本』を漫画で解説した本書の書評。「r>g」の法則や格差社会の現状を分かりやすく紹介し、資産形成の重要性を説きます。

こんにちは、金育SEのまさ(@kinikuse)です。

「なんで金持ちはそんなに持ってるの?」と疑問に思ったことはありませんか?

この世界には「持つもの」と「持たざるもの」の格差が存在します。 この経済格差について分析したのが、700ページ以上にわたる『21世紀の資本』です。

ただ、、めっちゃ長いんですよね。

まんがでサクッっと分かる形にしてくれてるので非常に読みやすいです。わかった気になっちゃうので読まないことが多いんですが、、2020/5に映画化まで実現しちゃってるので思い切って読んでみました。

『まんがでわかるピケティの21世紀の資本』の概要

まんがでわかるピケティの「21世紀の資本」 (まんがでわかるシリーズ)

まんがでわかるピケティの「21世紀の資本」 (まんがでわかるシリーズ)

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原著はこんな内容です。

内容(「BOOK」データベースより)

資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき、資本主義は自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生み出す。本書の唯一の目的は、過去からいくつか将来に対する慎ましい鍵を引き出すことだ。

これをわかりやすくストーリー仕立てにしてくれるのが私が読んだ本ですね。

  • まんがでわかるピケティの「21世紀の資本」
  • 山形 浩生 (監修、原著の翻訳者の1人)
  • 小山 鹿梨子 (イラスト)
  • 単行本(ソフトカバー): 175ページ
  • 宝島社(2015/6/12)

ざっくり3つのポイントに絞ってご紹介します。ただ、漫画でサクッと読めるので、図書館とか楽天とかで探してみてもいいと思います!

「r>g」という超有名な法則

参考資料

一時期はテレビでも取り上げられてた気もしますが、「r>g」は『21世紀の資本』で1番有名な法則です。

格差拡大の要因を過去データから分析すると、「r>g」が成り立つと紹介されています。「r」は資本の収益率、「g」は経済の成長率です。「r」は常に「g」を上回っていたのが歴史的事実だと、この本は指摘しているのです。

端的に言うと、「働いて稼ぐお金(g)より資産運用で増えるお金(r)の方が常に多いぞ!」ってこと

経済成長率が今後爆発的に増加することはありません。ピケティいわく1%水準へ収束する公算だそうです。つまり、私達の給料も劇的な増加は見込めません

本書の主人公も「生きたお金の使い方」を進められていました。まずは資本を増やし、そのお金に働いてもらうという、資本収益率(r)を活用する考え方です。

本の中で出てきたグラフも衝撃的でした。

参考資料

経済成長率(g)は0%→4%→2%と変動しているのに比べて、資本収益率(r)は概ね4〜5%で安定していたようです。

偶然にも「リターン5%程度」という私の運用目標とも概ね一致してます。無理のない運用計画だということで安心しました。笑

所得格差の現状と「累進資本課税」

参考資料

ピケティが一番伝えたかったのはこの累進資本課税の導入で、格差是正を図るべしという点です。

本書では、勝ち組と一般人の所得格差がどれくらいあるのか、紹介されています。

富裕国全体で見ると上位10%が全労働所得の25〜30%を稼いでおり、これは下位50%の人たちの取り分とも等しいとピケティは総括する。

『21世紀の資本』p.274

毎年の労働収入ですら格差があるってこと。社長とかがめっちゃもらってるのはコレが原因です。

しかも「r>g」の法則に照らすと、トップ層は既に持ってる資産からの資産収益もたくさんもらえます。

  • トップ層:超給料高い+資産収益(配当とか)もたくさん → めっちゃ増える
  • その他大勢:低賃金+資産ない → ほぼ増えない

毎年のように、格差はぐんぐん進んでいるのが現状です。

格差是正は「所得課税」よりも「資本課税」

格差を放置するとどうなるのでしょうか。

  • 日本の貧民層は若者がメイン
  • 結婚に躊躇し、子供は1人が限界
  • 少子化が進行
  • 人口が減るから経済成長率も下がる
  • 「r>g」も酷くなり、格差はどんどん広がる

はい、負のスパイラルです...

格差是正のための方策はいくつか提示されていますが、税金の活用を推奨しています。特に資本(株券や不動産)への累進課税です。

100年ほど前は累進課税制度なんてなかったので、武家生まれの人に農民が追いつくのは不可能でした。

ただ、現代は違います。社長は40%の所得税を取られるので、従業員との格差が少しだけ縮まりやすいのです。とはいえ、それは給与格差の「g」の話。

資本収益である「r」の格差を減らすための制度を提唱しているんです。

  • 株を10万円持ってる人-> 1%の1,000円
  • 株を10億円持ってる人 -> 10%の1億円

これなら、格差が縮小するという主張ですね。

まぁ...無理でしょうけどね。。

この制度を導入するためには、政治家に低所得者の味方をして貰う必要があります。でも日本では20代の投票率は60代以降の半分以下です。こんなんじゃ絶対無理。笑

しかも、日本だけ法律が変わっても、資産家は海外にお金を移すだけです。全世界で同時に法律を整備するのは、、まぁ無理でしょうね。

主人公が「労働収入」から抜け出すストーリー

参考資料

最後に、ストーリー全体が良いと感じました。

本書の主人公は一般職の「持たざる」女の子です。

倒産しそうな会社にしがみつきながら、何の疑問も抱かずに過ごしています。ただ、ひょんなことから「持つもの」である資産家が作った文鳥コミュニティに参加。笑

するとアレヤコレヤと経済について勉強し始めて、会社をやめ、「持つもの」を目指して事業を建てる...。そんな現実感のない夢物語です。

ただ、冒頭の会話が印象的でした。

経営者「だから僕たちはできるだけ資本収益を増やしていくことを目指すべきなんだ。さもないといつまで経っても働いた分だけをもらう生活から抜け出せないから。」

主人公「(そんなこと考えたこと無い...)私はどうすれば?」

「結局は自分次第。個人も国の経済も。」

どっかでよく見る会話です。そう、「お金不安だけど何すればいいかわかんないー」な人多いですよね。

この本は「脱サラ起業」という突拍子もない方法が紹介されています。でも誰でも選べる選択肢ではではありません。

本書の「持つもの」は何種類か出てきます。

  • 資格ビジネス(公認会計士)で経営者
  • 不動産を転がす地主
  • ラーメン店を事業化した社長
  • 印税で暮らす有名絵本作家
  • 年収400万から株式投資でFIRE(めっちゃいけ好かないw

どれも「資産」を作ってそこから得られる資本収益で生活しています。「r>g」の法則をフル活用です。

あなたにあった資産形成の方法は必ずあるはずですが、私は株式投資をしています。インデックス投資ならメンテナンスの手間も少ないので手軽な方法です。


いかがでしたか。

原著700ページ越えに対して漫画で175ページなので、かなり省略されています。でも、エッセンスは読み取れた気がします。

ピケティさんが伝えたかったことへの勘違いが解けたのは収穫でした。

読む前は「労働意味ないから投資しろよ!」がメッセージだと勘違いしてました。

でも本当は「放ったらかすと格差は拡大するのを認識して。で、個人ができることを考えよう!」という前向きなメッセージでした。

難しくてとっつきにくい印象でしたが、「r>g」の大枠を理解できました。わかりやすかったので読んでよかったです。

まんがでわかるピケティの「21世紀の資本」 (まんがでわかるシリーズ)

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最後までお読みいただきありがとうございます。
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