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収入 — 雇用形態ごとの入力ガイド

LIFIRE(開く)の収入は、転職や役職定年、育休といった「働き方が変わるタイミング」を、フェーズという区切りに分けて入力していきます。このページは「それぞれの欄に何を入れるか」に絞った値のリファレンスです。フェーズの追加・並び替えといった画面の操作はライフイベント(タイムライン)にまとめています。

対象画面

「収入・税金」タブ → キャリア・タイムライン

配偶者ありの設定にしている場合は、画面上部のタブで本人・配偶者を切り替えて、それぞれ別々に入力します。片方だけ入れて満足しないよう注意してください。

このページで分かること

  • 雇用形態5種で、表示される欄・消える欄がどう変わるか

  • 育休の給付が「直前フェーズの給与」から自動で決まる仕組み

  • 退職金・企業年金・臨時収入の入れ分け

雇用形態を選ぶと、入力欄が入れ替わる

LIFIREの収入は「フェーズ」という区切りの積み重ねで管理します。1つのフェーズには開始年齢と終了年齢があり、その期間の月次額面・雇用形態・昇給などをまとめて設定する仕組みです。

フェーズごとに選ぶ "雇用形態" によって、出てくる欄と消える欄が変わります。全体像は次のとおりです。

雇用形態 カードに出る欄 「詳細」モーダルの追加欄 備考
会社員 月次額面、夏賞与・冬賞与 標準の形
自営業 月次額面 経費率 月次額面は「月の売上」扱い
パート 月次額面 2026年9月まで月88,000円以上で被用者保険に切替(10月以降は賃金によらず対象)
育休 月次額面、夏賞与・冬賞与 給付は直前フェーズから自動計算
リタイア (収入欄なし) 収入0として計算

フェーズの開始・終了の年齢欄の横には、炎アイコンの "FIRE年齢に連動" チェックがあります。オンにすると、その年齢が目標FIRE年齢の変更に自動で追従します。連動の使い方と注意点はライフイベント(タイムライン)で説明しています。

昇給率・定額昇給はどの形態でも「詳細」モーダルで設定します(後述)。以下、形態ごとに「何を入れるか」を見ていきます。

会社員

カードには "月次額面" に加えて、 "夏賞与""冬賞与" の欄が並びます。月次額面は税引き前の月給で、ここが社会保険料と所得税の計算のもとになります。手取りではなく額面で入れてください。

賞与を年2回もらっているなら夏・冬に分けて入れ、昇給の見込みは「詳細」モーダルで設定します。

自営業

カードに出るのは "月次額面" だけで、賞与の欄は消えます。給与ではなく事業なので、賞与という概念がないためです。

自営業を選んだときだけ、「詳細」モーダルの中に経費率(%)の欄が現れます。月次額面を「月の売上」とみなし、経費率のぶんを差し引いた残りが事業所得として扱われます。 経費率を高くするほど課税される所得は小さくなるので、実態に近い割合を入れておくと税・社会保険の見積もりがブレにくくなります。

パート

カードは "月次額面" のみで、賞与欄は出ません。会社員と大きく違うのは社会保険の扱いです。

パートは、月次額面が月額88,000円(いわゆる「106万円の壁」の賃金要件にあたる金額)以上かどうかで、加入する社会保険が切り替わります。88,000円以上なら会社員と同じ被用者保険(厚生年金・健康保険)、それ未満なら国民年金・国民健康保険が対象です。配偶者が会社員で、パート側の収入が扶養の基準を下回っていれば、被扶養者として社会保険料がかからない扱いになる場合もあります。

ただし、この賃金要件は2026年10月に撤廃されます。 LIFIREも制度改正を織り込んでおり、2026年9月までは88,000円で判定しますが、2026年10月以降は月次額面にかかわらずパートも被用者保険の対象として計算します。壁を意識して働き方を決めている人は、2026年9月までの期間であれば月次額面をこの境目の前後で振って手取りの変化を確認できます。それ以降は 「88,000円未満に抑えれば扶養のまま」という前提が成り立たなくなる 点に注意してください。

被用者保険に入ると保険料の負担は増えますが、そのぶんは掛け捨てではありません。加入していた期間の給与は厚生年金の報酬比例部分に積み上がり、年金タブの将来の受給見込み額にも反映されます。手取りが減る側だけでなく、将来の年金が増える側もあわせて見てください。

パートの社会保険は賃金額だけで判定しています

実際の被用者保険の加入条件には、勤務先の従業員数や週の所定労働時間などの要件もありますが、LIFIREでは現状それらは反映しておらず、賃金額での判定にとどめています。

細かい線引きが必要な場合は、目安として利用してください。

育休

いちばん誤解されやすい形態です。育休のカードには、会社員と同じく "月次額面""夏賞与""冬賞与" の欄が並びます。ただし、この月次額面に入れた数字は、多くの場合そのままでは使われません。

育児休業給付は、育休フェーズの直前にある会社員またはパートのフェーズの給与をもとに、LIFIREが自動で計算します。つまり「育休に入る前にいくら稼いでいたか」から給付額が決まる仕組みで、育休フェーズ自体の月次額面は基本的に計算に絡んできません。 例外は、直前に会社員・パートのフェーズが1つも見当たらないケースだけで、そのときだけ育休フェーズの月次額面がフォールバック(代わりの基準値)として給付計算に使われます。

一方で、賞与の欄は育休中でも反映されます。 休業中に賞与が出るケースを想定して、入れた額がそのまま収入に加算される作りです。育休フェーズでは「直前の働き方フェーズをちゃんと作ってあれば、月次額面は神経質にならなくてよい。賞与だけは実態で入れる」と覚えておけば十分です。

リタイア

リタイアを選ぶと、月次額面も賞与も、収入の入力欄そのものが消えます。その期間の収入は0として計算されるので、入れる数字はありません。

なお、リタイアはフェーズカードのプルダウンでのみ選べる形態です。「詳細」モーダルの中の雇用形態の選択肢にはリタイアが並んでいないので、リタイアへの切り替えはカード側で行ってください。

「詳細」モーダルで昇給・賞与・60歳給付を詰める

カード右下の「詳細」ボタンを押すと、そのフェーズのモーダルが開きます。ここで設定できるのは、昇給率・定額昇給・夏賞与・冬賞与、そして自営業なら経費率です。

項目 意味
昇給率(%) 前年度の基本給に対する年間の昇給割合(ベースアップ込み)
定額昇給(年額) 金額での昇給。入れた年額を12分割して毎月の給与に加算
60歳時点の月給 開始年齢60歳以上のフェーズのみ表示。高年齢雇用継続給付の計算に使用

ベアと定期昇給を分けて考えたい場合は、昇給率と定額昇給を使い分けると給与カーブを実態に寄せられます。

開始年齢が60歳以上のフェーズでは、モーダルに "60歳時点の月給" の欄が追加されます。再雇用で給与が下がる予定がある人は必ず入れてください。空欄のままだと高年齢雇用継続給付が正しく計算されません。

退職金・企業年金

フェーズの下には、退職金・企業年金のセクションがあります。「項目追加」で1件ずつ登録していく形で、種別は次の3つから選べます。

種別 受取方法 追加で入れる項目
退職一時金 一括受取 勤続年数
企業年金(確定・有期) 分割受取 勤続年数、受取期間
企業年金(終身・生涯) 分割受取(生涯) 勤続年数

受取時期には「FIRE年齢に連動」のチェックがあり、オンにするとFIRE年齢を動かすたびに受取時期も自動で追従します。退職と同時に受け取る想定なら、連動をオンにしておくと入れ直しの手間が省けます。

勤続年数は退職所得控除の計算に使われます。 控除は勤続年数が長いほど大きくなるので、実際の年数に近い数字を入れると控除後の手取りが実態に寄ります。転職を挟んで勤続年数がリセットされている人は、通算年数を入れないよう注意してください。

臨時収入(副業・贈与・配当)

その下の臨時収入セクションでは、フェーズの給与とは別枠で入ってくるお金を登録します。

種別 課税の扱い
事業所得(副業等) 課税対象
雑所得(副業等) 課税対象
贈与・相続等 非課税として扱われます
配当 口座区分に応じて源泉徴収20.315%を控除した手取りを、現金収入として計上(課税所得・社会保険料には算入されません)

種別を選んだあとの入力は、受け取り方と金額だけです。以下、種別によらず共通する2点(受け取り方・上昇率)と、贈与・相続と配当それぞれの注意点を順に説明します。

受け取り方は「一括」か「継続」

受取時期の欄で切り替えます。一括を選ぶと受取額と受取時期だけを入れる形になり、継続を選ぶと金額(年額)に加えて終了時期の欄が出て、開始から終了までの期間ぶんが毎年加算されます。

相続でまとまったお金が入る予定があるなら、贈与・相続を選んで一括にしておけばシミュレーションに反映されます。副業や配当のように毎年続く収入は継続です。

上昇率で、金額の増減を表現する

継続を選ぶと、金額欄の下に "上昇率" の欄(年率、±20%まで、複利)が表示されます。副業収入の成長率や配当の増配率を入れる欄です。

入力した金額は開始年齢時点の年額として扱われ、上昇率は開始年齢からの経過年数ぶん複利で適用されます。 システム共通のインフレ率とは独立した、名目の増減率です。なお一括の場合は経過年数が常に0になるため、上昇率の欄そのものが表示されません。

上昇率は1エントリに1つだけです。段階的な減配や無配転落のように途中で増減率が変わるケースは、期間を分けて複数のエントリに登録してください。 NISA枠を埋めていく過程で課税口座の配当が増えていく場合も同じです。

贈与・相続は、税金を引いたあとの金額を入れる

LIFIREは相続税・贈与税そのものを計算しません。相続や贈与の金額は、税金を差し引いた後の手取り額で入力してください。 額面のまま入れると、その分だけ資産が過大に見積もられます。

配当

種別で "配当" を選ぶと経費率の欄が消え、代わりに "口座区分" の欄が現れます。入れるものは次の3つです。

入れるもの
口座区分 "課税口座(特定・一般)""NISA・非課税口座"
配当金額(年額・税引前) 源泉徴収されるの金額。証券会社からの入金額ではありません
受取時期 継続なら開始・終了年齢、一括なら受取年齢

入力すると、1ヶ月あたりの「額面 → 源泉税(20.315%) → 手取り」が円単位で表示されます。NISA・非課税口座なら全額が手取りになり、課税口座だった場合にいくら引かれるかの対比も薄字で出ます。この手取り額だけが現金収入として反映され、課税所得・社会保険料の計算には使われません。 申告不要制度を選択している前提での簡略化で、総合課税と申告分離課税のどちらが有利かを比較する機能はありません。

注意点はひとつだけ。投資タブの期待リターンから、配当のぶんを引いてください。

投資タブの期待リターンは、値上がり益と配当を合わせた利回り(トータルリターン)です。配当分はすでにそこに含まれているので、投資タブに登録した資産の配当をそのままここにも入れると 二重に数えられ、将来資産が実際より多く表示されます。NISA口座でも課税口座でも同じです。

対処は、投資タブ側の期待リターンから配当利回りを引くだけです。

投資タブの期待リターン 臨時収入の配当欄
変更前 外国株式 7.0%
変更後 外国株式 5.5% 配当利回り1.5%ぶんの年額

この1.5%は全世界株の配当利回りの目安です(iShares MSCI ACWI ETF の2026年6〜7月時点で1.31〜1.50%)。自分が持っている銘柄の利回りに置き換えて計算してください。 高配当ETFや高配当株なら3〜4%程度と、この例よりかなり高くなります。

引くのは税引前の利回りです。手取りベースの利回りを引くと、その差分が二重に残ります。また、同じ資産クラスの配当はNISA分・課税口座分をもれなく登録してください。期待リターンは資産クラス単位でしか設定できないため、片方だけ登録すると計算が合いません。なお、投資タブに登録していない資産(持株会など)の配当は、そのまま入力してかまいません。

いま説明したのは、投資タブの期待リターンを手で下げる従来のやり方です。この方式は今も有効な選択肢で、無理に切り替える必要はありません。一方、投資タブには配当・分配金利回りを直接入力する方式もあり、そちらに切り替える場合は、下げていた期待リターンを既定値へ戻してください。新旧どちらか一方だけを使い、両方を残さないことが二重計上を避ける唯一のポイントです。

「NISA・非課税口座」を選ぶ前に

これを選べるのは、証券会社で配当金の受取方法を 「株式数比例配分方式」 に設定している場合だけです。「配当金領収証方式」「登録配当金受領口座方式」のままだと、NISA口座の株式でも20.315%が引かれ、確定申告で取り戻すこともできません。

心当たりがなければ "課税口座" を選ぶほうが安全です。設定していないのに非課税を選ぶと、手取りが実際より多く出ます。

こまかい注意事項
項目 内容
残高と連動しない 配当は確定収入として扱われるため、投資資産を取り崩し切ったあとも同額が入り続けます。暴落テストやモンテカルロでも減配されません。資産寿命が実際より長く出る点に注意してください
扶養の判定には影響しない 本人・配偶者のどちらにも当てはまります(本人が先にFIREして配偶者の扶養に入るケースを含む)。ただし実際の健康保険では非課税の配当も収入に数えられ、年130万円(60歳以上・障害者は180万円)が扶養から外れる目安です
配当控除を使うなら課税口座 "NISA・非課税口座" は、NISA・旧NISAで保有している場合だけ選んでください。総合課税と配当控除による有利選択には対応していません
投資信託の特別分配金 非課税ですが実体は元本の払い戻しです。ここに入れると資産が減らないまま現金だけ増えるので、投資タブ側で同額の取り崩しもあわせて設定してください
旧NISAの非課税期間 旧一般NISAは2027年末、旧つみたてNISAは2042年末で終了します。終了年で期間を区切り、以降は課税口座の別エントリとして登録してください
iDeCo・企業型DCは対象外 分配金は口座内で自動再投資され、受給開始まで引き出せません。受給は年金タブとiDeCoの設定で計算されます
対象は上場株式・ETF・投資信託 これらの配当(分配金)を前提にしています。非上場株式は税率が異なります

なお、ここまで説明した臨時収入としての登録とは別に、投資タブで保有資産に配当・分配金利回りを直接設定する方式も用意されています。設定すると、その分が現金として払い出され(または再投資され)、同じ額が値上がり分から自動で差し引かれるため、期待リターンを自分で調整する必要がありません。相場下落時に配当も一緒に減る動きも再現されます。

配当だけをいくら受け取っているかは、ダッシュボードのキャッシュフロー表で年ごとに確認できます。表の行をクリックして展開すると "配当・分配金明細" が現れ、額面が「受取(現金へ払い出し)/再投資(資産へ組み入れ)/源泉税」の3つに分けて表示されます。再投資に回っている年も明細には出るので、配当が生活費をまかなえる水準に届いたかを、受け取り始める前から確かめられます。 源泉税は税金・社保の内訳にも配当・分配金源泉税として並びます。

今後の改修予定

グラフのほうは、まだ配当を分けて表示していません。生涯収入プレビューの棒グラフでは配当が「臨時/副業」にまとめて積み上げられており、配当だけを独立した系列として出すことを検討しています。年ごとの実額はキャッシュフロー表で追えるので、こちらは見やすさのための改修です。

生涯収入プレビューで世帯合算を確かめる

画面の下部には「生涯収入プレビュー」が表示されます。ここまでに入力した内容が、本人収入・配偶者収入・児童手当・臨時/副業・退職金/企業年金の5系列の積み上げグラフとして年齢ごとに並び、世帯全体の生涯累計額も確認できます。

注目してほしいのは児童手当です。児童手当は入力欄がありませんが、基本プロフィールの子供情報から自動計算され、このプレビューに合算されています。 「入れた覚えのない収入が乗っている」と感じたら、まずここを疑ってください。計算ルールは教育費のページで説明しています。

入力を変えるとプレビューも即座に更新されます。フェーズを組み替えたら、グラフの形が想定どおりの給与カーブになっているかをここで確かめるのが早いです。

次に読む

値を入れ終えたら、次は手取りに直結する税金・社会保険の仕組みと、公的年金の見込み額を確認しておきましょう。フェーズの追加や並び替えなど、この画面の操作そのものはタイムラインのページにまとめています。