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ボーナスの手取りが少ない理由は?税金・社会保険料の計算方法を詳しく解説
この記事で伝えたいこと
ボーナスの手取りが少ない理由を税金・社会保険料の計算例で解説。賞与の給与明細の見方を知り、手元に残るお金の仕組みを理解しましょう。
こんにちは、金育SEのまさ(@kinikuse)です。
私事ですが、春のボーナス支給で事件が起きました。
前のボーナスより手取りがめっちゃ少ない!!
詳しく見ると、支給額は同じなのに所得税が異様に多いんです。
いろいろ調べてわかったことがあるので、今回は賞与の給与明細について解説していきます。
【この記事を読んでほしい方】
- 去年と同じ支給額でも、手取りが少なかった人
- ボーナスの天引き金額が予想より多い人
- ボーナスの給与明細がよくわからない人
結論、ボーナスの手取りは額面の何割?
先に結論を言っちゃいます。
この記事で使う例(前月給与30万円・賞与60万円・独身30歳・東京都/協会けんぽ)だと、手取りは額面の約8割(80.2%)でした。
- 社会保険料:87,450円(14.6%)
- 所得税 :31,398円(5.2%)
- 手取り :481,152円
ただ、これはあくまでこの条件でのケースです。社会保険料の負担割合はどの会社でもだいたい14〜15%で似たり寄ったりなんですが、所得税は前月の給与額によって税率区分が変わる仕組みなので、給与が高い人やボーナス比率が高い企業の人ほど、8割より下がることがあります。逆に前月給与が控えめな人はもう少し手取り率が高くなる感じですね。
なぜこの割合になるのか、天引きの中身を1つずつ見ていきましょう。
そもそもボーナスとは?
海外のボーナスの立ち位置は個人の頑張りに報いる臨時報酬です。業績が悪かった人には出ません。
一方で、日本におけるボーナスは企業の人件費調整弁です。もちろん、頑張った人に多く支払う傾向はあります。ただ、頑張りには関係なく、利益が出なかった年度はボーナス0円とすることで、人件費を抑えることができます。
日本企業は海外と比べるとボーナスの金額が高いと言われます。経営者側にとって都合の良い形だと捉えることができちゃいます。
特に、ボーナスの比率があまりに高い企業で働くのは意外とリスクなんですよね。
ボーナスの平均は?
全産業の平均支給額は前年比5.91%増の98万6233円だった。支給額は4年連続で過去最高を更新した。
賃上げが流行っている2025年は、98万円の支給になっています。 この記事を執筆した2020年ころと比べると3割近く上昇してます。
2021冬は75万でした
1人当たりの平均支給額では、昨冬72.4万円、今冬75.7万円となり昨冬ボーナス支給額より4.6%増加した結果になりました。
Job総研による『2021年 冬ボーナス実態調査』
2020年夏より少し増えて、75万円が支給されるとのこと。ただし、昨年はコロナ1年目でボーナス金額がガッツリ減っていたので、評価は対等ではないですよね…
コロナ直後(2020年夏)は78万でした
2020年夏のボーナス(5月13日時点、中間集計)支給額は前年比4.69%減の78万1287円だった
コロナ前より大幅に減っていますが、全国平均では78万円が支給されるようです。
ちなみに、日本のボーナスは「月給の○ヶ月分」と数えることが多いです。大企業と中小企業で大きく相場が異なるようです。
【大企業と中小企業の支給額目安】 - 大企業の支給額 :平均2.5ヶ月分 - 中小企業の支給額:平均1ヶ月分
あくまで目安です。まぁ大企業の方が有利だとは一概に言えません。ボーナスカットする余力が大きい大企業のほうが、従業員のリスクは高いかもしれないのでどっちもどっちです。
なぜボーナスの税金は「高い」と感じるのか?引かれる項目一覧
ここからが本題です。
「ボーナスって税金高すぎない!?」と感じる人は多いですよね。 実は、まとまった金額から一気に十数%の社会保険料と所得税が引かれるため、引かれる絶対額の大きさに驚いて「高い」と感じてしまうんです。
具体的に天引きされる項目は以下の5つです。(30代以下は4つ)
【ボーナスから天引きされる5つの項目】 - 雇用保険 - 厚生年金保険 - 健康保険 - 介護保険(40歳以上のみ) - 所得税
毎月の給与とは違い、住民税は取られません。住民税は前年の所得に対して決まった金額を12回分割払いしていきます。
では具体的にボーナスがどれくらい天引きされるのか計算してみましょう。
計算の前提
具体的なボーナス額がある方がわかりやすいのでこんな人をイメージして計算してみます。
計算の前提
- 先月の給与:30万円(社会保険を除いた残りは25.6万)
- ボーナス金額:60万円(2ヶ月分)
- 独身30歳で扶養家族なし
- いわゆるメーカー
もし小難しいのは苦手だな〜という方がいれば、絵にしたのでここまでスキップしてください。笑
雇用保険料率:0.5%
失業時とかにお世話になる保険ですね。育休の給付金もここから出ています。
一般の事業なら、私達の負担は0.5%です。会社側はもう少し多く0.85%を負担します。農林水産・清酒製造・建設業だと料率が上がって0.6%になりますが、そのあたりで働いてなければ0.5%で大丈夫です。
料率は毎年見直されていて、令和8年度(2026年4月〜2027年3月)は0.5%。厚生労働省の雇用保険料率のご案内で確認できます。
雇用保険の計算例 ボーナス金額 × 雇用保険料率 = 60万 × 0.5% = 3,000円
健康保険料率:4.925%
医療保険とほぼ同じ意味です。病院で3割しか負担しなくてよいのはこの保険料を支払っているからですね。
人によって加入している健康保険組合が異なります。多くの方が加入している「協会けんぽ(東京支部・令和8年度)」では9.85%の保険料がかかります。これを、会社と私達で50%ずつ折半して保険料を支払うルールです。
勤務先によっては、独自の健康保険組合に加入していることがあります。私もそのパターン。私の組合は少し多めに負担してくれるので、3%だけ支払ってます。
健康保険の計算例 ボーナス金額 × 健康保険料率 ÷ 2 = 60万 × 9.85% ÷ 2 = 29,550円
協会けんぽの令和8年度の料率を参照しています。
厚生年金保険料:9.15%
いわゆる公的年金で、年金制度の2階部分です。
人によって運用する年金機関が異なります。一般的には「協会けんぽ」では18.3%の保険料がかかります。会社と私達で50%ずつ折半して保険料を支払います。
勤務先によって、大企業などは独自運用をしていて、負担割合も変わってきます。
ちなみに厚生年金には2大メリットがあります。
- 国民年金も支払ったことになる
- 第三号扶養者(専業主婦など)がいれば、その国民年金も支払ったことになる
詳しくは別の記事で扱いますが、意外とすごい制度なんです。笑
厚生年金の計算例 ボーナス金額 × 厚生年金保険料率 ÷ 2 = 60万 × 18.3% ÷ 2 = 54,900円
協会けんぽの令和8年度の料率を参照しています。
介護保険料:0%
介護保険は40歳以上が支払います。
それまでは支払わなくて良いので、一旦割愛します。気になる方は、協会けんぽのページを見てみましょう。
所得税:4〜30%
所得税もしっかり取られる部分です。そして計算が一番難しいです。
本来は年収全体に対して課税するものですが、6月のボーナス支払い時点では税金額が確定しません。
そのため、ボーナスの金額ではなく、前の月の給与金額をみて支払額を算出します。
所得税の計算例 所得税は2ステップで算出します。 1. 前月の給与金額から、所得税の課税率を国税庁の資料から算出 (例:25.6万 → 6.126%) 2. (ボーナス金額 – 社会保険料)× 求めた税率 = (60万 – 3,000 – 29,550 – 54,900) * 6.126% = 31,398円
ボーナスは非課税にならないの?
「ボーナス 非課税」で検索してくる人、結構多いんですよね。先に言っておくと、所得税に関してボーナスが非課税になることはありません。毎回、上で計算した通り天引きされます。ここを勘違いしたまま給与明細を見ると、余計に「なんで引かれてるの」ってなっちゃうので注意です。
非課税というより「社会保険料には上限がある」が正確な言い方です。実際に非課税・免除になるのは以下のパターンです。
- 健康保険料には年間573万円の上限がある:毎年4月〜翌年3月の賞与を合計して573万円を超えたら、それ以降の賞与には健康保険料がかかりません(日本年金機構)。
- 厚生年金保険料には1回あたり150万円の上限がある:1回の賞与が150万円を超えても、超えた分には厚生年金保険料がかかりません(日本年金機構)。
- 退職月に支給される賞与:社会保険の資格喪失日(原則、退職日の翌日)が属する月に支払われた賞与には、社会保険料がかかりません。月末退職だと話が変わってくるので、退職を考えているなら経理か人事に確認したほうが確実です。
まあ、573万円も150万円も、私にはまだ縁のない世界の話ですが。笑
育休中のボーナスは社会保険料が免除される
ちなみに、うちは育休を取ったことがあるので、この社会保険料の話でもう1つ触れておきたいことがあります。
育児休業を取っていると、賞与にかかる社会保険料(健康保険・厚生年金)が全額免除になるんです。さっきの例(額面60万円)で言えば、健康保険と厚生年金の合計8.4万円がまるごと引かれない計算になります。
ただし、条件はわりと厳しいです。「賞与を支払った月の末日を含む、連続1か月を超える育休」を取っていないと免除されません(日本年金機構)。
昔(2022年9月まで)は月末をまたぐだけで免除の対象になっていたので、「賞与月の月末だけ育休を取って保険料を浮かす」なんて小技も通用してました。でも2022年10月の改正でこの抜け道は封じられていて、今はちゃんと1か月を超えて休まないとダメです。ちなみに毎月の給与のほうは「月末時点で育休中」または「同じ月に14日以上」で免除されるので、賞与のほうが条件は厳しいと覚えておいてください。
注意点も3つ挙げておきます。
- 免除されるのは健康保険料と厚生年金保険料だけです。雇用保険料と所得税は普通に引かれます(所得税に非課税枠がないのは上で書いた通りです)。
- 保険料を払っていない期間でも、将来の年金額は減りません。ここは安心していいところです。
- 会社の賞与規定によっては、育休を長く取ると在籍月数で按分されて賞与の支給額自体が減ることがあります。免除されても、母数が減ったら元も子もないですよね。
手続きは会社が年金事務所へ届け出る形なので、自分で個別に申請する必要はありません。
ボーナスの手取りを絵にしてみよう
とまぁ、計算が難しかったので絵にしてみました。
ざっくり計算ですが、今回のケース(毎月30万、賞与60万)ではこうなります。
ボーナス計算の結果!
ボーナス支給額60万円に対して、
- 社会保険料 :87,450円(14.5%)
- 源泉徴収税額;31,398円(5.2%)
- 手取り金額:481,152円
12万円も天引きされてます!!!
はい、絶望ですね。笑
なぜ、ボーナスの手取りが少なくなるのか?
ちなみに私もここまでは理解してたつもりでした。
ただ、12月と6月でボーナスの支給額が同じなのに手取り金額が少なかったんです!!
実はこんな例外的なからくりがありました。。
前月の給与が昨年より多い
確かに、4月から昇格したため給与は多めにいただいてるんですよね。
だとしても、それくらいは私も理解していました。所得税はたかだか2%上がるだけのはず。
でも違ったんです。
年収に占めるボーナス比率が高い
私の勤務先は年収におけるボーナスが高いです。冒頭で述べた「会社に有利な給与形態」ですね。笑
国税庁の計算式は、前の月の給与に比例して源泉徴収を行ってしまいます。普通は月給に比例した賞与なのでこの計算式で問題ないんです。
ただし、ボーナス比率の高い企業では、月間給与ベースで計算をしてしまうと、所得税が不足してしまいます。結果として、年末調整で社員からお金を徴収する必要が出てきます。
私の勤務先では、算出した徴収税額に対して、少し多めに源泉徴収するルールになっているようでした。
いかがでしたか?
まとめ
- 手取りの目安は額面の8割前後(社会保険料と所得税の合計で約2割減る)
- 住民税は取られない
- 社会保険料が約14〜15%かかる(健康保険は年573万円、厚生年金は1回150万円で上限あり)
- 育休中の賞与は社会保険料が全額免除(条件は「賞与月の末日を含む1か月超の育休」)
- 前月の課税所得に比例して所得税を取られる(所得税に非課税枠はない)
- ボーナス比率の高い企業では、多めに所得税を取られる
サラリーマンとして働いてらっしゃる方にはぜひ知っておいていただきたい内容でした。給与明細をじっくり見る機会って意外と少ないですからね笑
ただ、最後の方は、完全に私と会社の後輩達にむけた愚痴になっちゃいました。すみません笑
今夏のボーナスが支給された方は、ぜひ、この記事を眺めつつ、1つ1つの数字を眺めてみてください!
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最後までお読みいただきありがとうございます。
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